平成最後、お寺で東日本大震災犠牲者に虚無僧尺八献笛


「平成」もあと数ヶ月となり、一体新しい元号は何になるのかという話も話題となっておりますが、平成31年3月2日の土曜日、琴古流尺八 盛岡竹友普門の会は岩手県紫波町の曹洞宗 廣澤寺(こうたくじ)で虚無僧尺八献笛(こむそうしゃくはちけんてき)を行ったのでその時の様子をお伝えいたします。

虚無僧尺八献笛とは?

虚無僧尺八献笛とは、白と黒の装束姿に身を包み、「明暗」と書かれた偈箱(げばこ)を首から下げ、天蓋をかぶった虚無僧の姿で尺八の献笛をすることです。

虚無僧とは?

普化宗は中国(唐)の普化を祖とし、日本には臨済宗の僧心地覚心が中国に渡り、普化の法系の張参に竹管吹簫の奥義を受け、張参の弟子「宝伏」ら4人の居士を伴い、建長6年(1254年)に帰国し紀伊由良の興国寺に普化庵を設けて住まわせたことに始まる。古くは、「こもそう(薦僧)」ということが多く、もと坐臥用のこもを腰に巻いていたところからという。
虚無僧は「僧」と称していながら剃髪しない半僧半俗の存在である。尺八を吹き喜捨を請いながら諸国を行脚修行した有髪の僧とされており、多く小袖に袈裟を掛け、深編笠をかぶり刀を帯した。はじめは普通の編笠をかぶり、白衣を着ていたが、江戸時代になると徳川幕府によって以下のように規定された。
托鉢の際には藍色または鼠色の無紋の服に、男帯を前に結び、腰に袋にいれた予備の尺八をつける。首には袋を、背中には袈裟を掛け、頭には「天蓋」と呼ばれる深編笠をかぶる。足には5枚重ねの草履を履き、手に尺八を持つ。
旅行時には藍色の綿服、脚袢、甲掛、わらじ履きとされた。なお、よく時代劇で用いられる「明暗」と書かれた偈箱(げばこ)は、明治末頃から見受けられるようになったもので、虚無僧の姿を真似た門付芸人が用いたものである(因みに「明暗」に宗教的な意味合いはなく、「私は明暗寺(みょうあんじ)の所属である」という程度の意味である)。江戸時代には、皇室の裏紋である円に五三の桐の紋が入っており、「明暗」などと書かれてはいなかった。江戸期においても偽の虚無僧が横行していたが、偽虚無僧も皇室の裏紋を用いていたようである。
慶長19年(1614年)に成立したという『慶長掟書』(けいちょうじょうしょ)には「武者修行の宗門と心得て全国を自由に往来することが徳川家康により許された」との記述があるが、原本は徳川幕府や普化宗本山である一月寺、鈴法寺にも存在しないため、偽書ではないかと疑問視されている。罪を犯した武士が普化宗の僧となれば、刑をまぬがれ保護されたことから、江戸時代中期以降には、遊蕩無頼の徒が虚無僧姿になって横行するようになり、幕府は虚無僧を規制するようになった。
明治4年(1871年)、明治政府は幕府との関係が深い普化宗を廃止する太政官布告を出し、虚無僧は僧侶の資格を失い、民籍に編入されたが、明治21年(1888年)に京都東福寺の塔頭の一つ善慧院を明暗寺として明暗教会が設立されて虚無僧行脚が復活した。
自宅に訪れた虚無僧への喜捨を断わるときには「手の内ご無用」と言って断わる。

出典:Wikipedia

お涅槃会と併せて震災犠牲者のご冥福を祈るために行った虚無僧尺八献笛

今回、虚無僧献笛を行ったのは岩手県の内陸部の盛岡より少し南の紫波町の曹洞宗 廣澤寺です。

平成31年3月2日の廣澤寺では「お涅槃会・ご先祖様供養法要」が執り行われていました。

お涅槃会とは、お釈迦さまのご命日(2月15日)のことで、全国各地の寺院でお釈迦さまの最期の様子を描いた「涅槃図」をかけて、そのご遺徳をしのぶ法要が行われます。

この日の廣澤寺でも、法要に檀家およそ60名が集まっていました。

お涅槃会と併せて3.11東日本大震災犠牲者のご冥福を祈り、琴古流尺八 盛岡竹友普門の会の会員13名で尺八演奏を心を込めて行いました。

尺八献笛での演奏曲と解説

今回尺八献笛で吹いた演奏曲は全部で5曲です。

雲井獅子

九州博多の虚無僧(一朝軒)に300年以上前から伝承された曲で、江戸時代の普化宗の虚無僧が道中行脚で吹かれた曲です。旋律は美しく華やかで高音から始まりゆっくりと聞き手を引き込み、後半は獅子物らしいテンポとメロディーとなる明るい曲です。

慕郷

慕郷は、琴古流尺八の名手で東本願寺・知恩院の管主となられた仏教家の兼安洞童(かねやすどうどう)が作曲で、遠く離れた故郷の情景を思い描いた曲です。

真虚霊

琴古流本曲36曲中、深奥の修禅曲で古典三曲の一曲とされ、追善曲です。一番古い型を残している曲で「虚霊」は、「虚鈴」の意味で、尺八は中国から伝来しましたが、唐時代に普化禅師が唱えた「虚鐸」を尺八道の思想としたものです。禅の「空」の概念を表した曲で、あまりに極端な音楽的表現は避け、精神的な面を尊重し、最も芸と人生との年輪が必要とされる曲の一つです。

荒城の月

土井晩翠の作詞、瀧廉太郎の作曲の日本の歌曲です。七五調の歌詞と、西洋音楽のメロディーが融合した名曲です。

みほとけは

梅花流御詠歌で、歌い込むほど人々をひきつける不思議な魅力をもつ讃歌です。戦後に作曲された仏教讃歌の中でも、もっとも多く演奏され、人々に感銘深く歌われた名曲。

岩手日報にも掲載された虚無僧尺八献笛

出典:岩手日報 2019年3月2日紙面

今回は、岩手日報の記者の方も取材に来てくださり、今回の虚無僧尺八献笛について記事にしていただきました。私たちの活動がこのような形で広まることは、本当にありがたいことです。

来てくださった岩手日報の記者の方、本当にありがとうございました。

おわりに

琴古流尺八 盛岡竹友普門の会では、ありがたいことに毎年主催者の方に声をかけていただき、年に数回、虚無僧での尺八献笛をする機会があります。

もしも主催者の方などで、虚無僧尺八献笛にご興味があればまずはお気軽にご連絡ください。

もちろん通常の尺八演奏も行っており、大小様々な場所で多くの尺八演奏をする機会があり、トップクラスでこのような活動を行っている岩手の琴古流尺八同好会です。

ただいま絶賛尺八会員を募集中でございます。

もちろん尺八教室が実際に行われている時に見学などもできますので、まずはお気軽にご連絡ください。

それではまた。


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